土曜日の午後から日曜日の午前中にかけての2日間、熊本県民交流館パレアホールで行われた構造医学セミナーに参加してきました。このセミナーは医師・歯科医師・柔整師・鍼灸師など医療に係る先生方を対象に、熊本で年に4回行われているものです。主催は構医教育機構の吉田勧持先生です。このセミナーに通い始めて9年になりますが、大学教育では教わることのなかったヒトの構造の成り立ちと疾病との関連性について話される吉田先生の講話は毎回斬新で、聴講するたびに自分の不勉強さを身にしみて感じています。
今回のセミナーで印象に残ったのが “舌脳反射”という言葉でした。聞き慣れない言葉だと思います。もちろん自分も初めて耳にする言葉でした。吉田先生は慢性疼痛と不安が同居する患者さんを例に、そのような人たちは “食が荒い” 傾向にあり、ヒトとして感覚できる “食” の本質つまり味覚が置き去りにされ、食事が 単なる “えさ” となっている場合が多いと話されていました。そして、その味覚が投射される脳の特定部位の機能低下が疼痛や不安の発症と関連しており、回復のためには本来の原始的な味覚を取り戻すことが重要であると指摘され、そのためには味の濃度を極めて薄めること、そして水や食物の素材本来の味を理解するなど、意識的に “食” の改善を行っていく必要があると話されていました。
美味しく食べるということを改めて考えさせられた2日間でした。