東北楽天ゴールデンイーグルス・日本シリーズ優勝おめでとう。球界に参入した2005年、レギュラーシーズンを制したソフトバンクに51.5ゲーム差をつけられ“史上再弱”とも言われたチームが、僅か8年での栄冠獲得は実にお見事!!巨人ファンとしては実に残念なところですが、勝負事に不可欠な“闘争心”でしょうか?シリーズ当初から既に楽天に軍配あり!…と感じていたのは自分だけかな? (・・;)
さて、この楽天の優勝の立役者として、今年のドラフトの目玉である桐光学園の松井投手の交渉権をクジで引き当て“持っている人”と噂されているのが、昨年8月、楽天グループの三木谷浩史会長に誘われ、若干42歳で楽天球団の社長に就任した立花陽三です。立花氏は1971年東京生まれ、成蹊高校から慶応義塾大学総合政策学部に入学、大学時代は慶応大学ラグビー部に所属し、チームの司令塔・スタンドオフとして活躍します。卒業後は外資系証券マンとして海外を渡り歩き、日本企業に就いたのは楽天が初めてという異色の存在です。就任の会見では「私の闘争心というものをチーム・会社に送りたい」と述べ、自分の取るべきスタンスというものを明らかにしています。
野球に関して全くの素人である彼が、社長就任後にまず行ったのはチームを数学的に徹底的に分析することでした。そして、得られた答えが“強力な右打者の補強”。そこで、目を付けたのがメジャーリーグで通算434本塁打、1988年から10年連続で外野手としてゴールドグラブ賞の実績のあるジョーンズの獲得だったようです。そして昨年末、立花社長自らジョーンズとの直接交渉のため米国に飛びます。ジョーンズの野球に対する自信と熱意、人間性を確認した後、彼はジョーンズに同じ言語で話せるチームメイトの人選について尋ねます。そして、獲得したのがヤンキースでともにプレーしたことのあるマギーでした。二人の今期の安定した活躍はご承知の通りですが、それ以上に二人がチームに与えた影響力というのは計り知れなかったですね。証券マンとして海外を渡り歩いた立花氏の経験の為せる技としても決して言い過ぎではないでしょう。
楽天の勢いが止まらないシーズン中、自分の真価が問われるのは5年後と話す立花氏。来年、マー君が抜けたとしても決して侮れない存在になりそうです。恐るべし楽天!!
さて、もう一人の時の人、福澤克雄をご存知でしょうか?1964年東京生まれ、福澤諭吉の玄孫(やしゃご:孫の孫)である彼は、慶応高校から慶応大学へ、立花氏と同じく慶応大学ラグビー部に所属し、学生時代には社会人のトヨタ自動車を破り慶応史上初のラグビー日本一に輝いています。卒業後はTBSに入社、『3年B組金八先生』や『砂の器』など数々のテレビドラマの演出を手掛けます。現在の愛称は武田鉄矢が命名した「ジャイ」。これは、190cm100kgと大柄で、風貌が『ドラえもん』のジャイアンに似ていることからきているそうです。
2007年、日本で最も視聴率を獲得するドラマディレクターとして名を馳せた彼が、自ら企画し演出・監督を手掛けたのが、平成で1位の視聴率を獲得したドラマ “倍返し”の『半沢直樹』です。彼曰く、高視聴率の原因は原作の面白さと半沢直樹を演じた界雅人さんの演技力であると評していますが、やはり福澤氏の感性無くしては為し得なかった…と思うところです。
最後に、慶応大学ラグビー部といえば「魂のタックル…」。高校時代無名の人材を叩き上げてきたその練習量は凄まじかったと聞いています。この二人にはどこか、その修羅場をくぐり抜けてきた勝負師の匂いがしますよね…。( ̄▼ ̄*)