お隣の韓国では、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8型)がカモに続きニワトリにも感染し、感染地域も南北に拡大しているとのこと、また中国では鳥から人に感染したH7N9型鳥インフルエンザの死者が23名に達したとのこと… 日本でも先々週あたりから、お弁当や給食など飲食物を介してのノロウイルスによる集団感染が報告される等々… これからの一ヶ月余りは、自分や家族、学校、職場のためにも、様々な“感染”に対して一人ひとりが気をつけたいものですね。
さて「帯状疱疹」という病気を耳にされた方も多いかと思います。帯状疱疹とは、身体の片側に起きる強い痛みと、痛みがある部分にできる帯状の赤み、ブツブツ、水ぶくれが特徴の病気で、子どもの頃にかかることの多い「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。発症は幅広い年代でみられますが、患者さんの約70%は50歳以上の方で、80歳までに3人に1人はかかる病気といわれており、その患者数は15年前と比べて約4割も増えているとの報告があるようです。
この帯状疱疹の発症のメカニズムですが、新たにウイルスが感染するのではなく、子どもの頃の水ぼうそうの原因ウイルスが、その症状が落ち着いた後でも体内の神経節というところに長年潜み続け、過労や加齢、病気、ストレスなどで免疫力が低下するとまた活動をし始め、神経と皮膚を攻撃して症状を引き起こすとされています。
治療方法は発疹等の症状が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を服用することが大切で、対処が遅れるとウイルスにより神経が傷つき、発疹が治っても神経痛としての痛みが長期間残りやすいとされています。そう思っていても、その症状が、「虫さされ」や「かぶれ」と間違いやすく、病院での受診が遅れるケースが目立つらしいので、その見極めとして、
①皮膚の症状が出る前に(チクチクやピリピリ)という感じがある。
②皮膚の表面だけでなく奥のほうから痛みを感じる。
などの帯状疱疹の特徴を日頃から押さえておきたいものです。
さて、この帯状疱疹ですが、このウイルスに免疫力のない子どもを除いて、人から人への感染はないもの… と、思っていましたが、つい最近、成人の健常者間での感染を確認しました。前田歯科でもそのことを踏まえて、帯状疱疹の院内感染予防について考え直しました。
やはり “いたちごっこ” ですね。感染予防に終わりはないようです。。