11月に入りました。朝晩も冷え込むようになりましたね〜 さすがに歩きの格好は、半袖のTシャツから長袖へ変更、しかもその上からダウンを羽織っての冬装備。それで一生懸命歩いても汗がなかなか出てこない… 少し物足りない感じの今朝でした。
さて先週の水曜日の夜は、定例で毎月一回行われている勉強会「一三歯科臨床研究会(一三会)」の日でした。例会は夜8時〜10時までの約2時間、2名の会員がそれぞれ約1時間の持ち時間で症例発表等のプレゼンテーションを行います。先月は自分の担当月で、今回は前歯にオールセラミックスを使用した審美的改善例の1症例と、あまり聞かれない言葉だと思いますが、歯の痛みから少し領域を広げた「顎顔面痛」と呼ばれている病状の改善例についての報告でした。
皆さんは、食事中または冷たい水やお湯を飲んだ時に、数秒〜数十秒続く突発的な歯の激痛を感じたことがありますか? もしその時に、歯科医院で診察を受けてムシ歯や歯周病等の原因が見つからなかった時、そして歯科で出された痛み止めを服用しても、なかなかその痛みが治まらなかった時は「三叉神経痛」の疑いがあります。
三叉神経とは12対ある脳神経の一つで、眼や鼻の周囲、上あごや下あご、歯やお口の中の様々な感覚や、あごを動かす筋肉や顔の表情筋の運動を支配している神経です。例えば、ムシ歯で歯が痛むのは、この三叉神経の末端の歯の中の神経が刺激されてそれが電気的に脳に伝わり、結果的に脳が痛みとして認識しているからです。
では、なぜムシ歯がないのに歯が痛むのか? それは、脳から出た三叉神経が末端の歯に行く途中で何らかの刺激を受けたためで、それによりあたかも歯が痛むような錯覚を起こさせているからです。その刺激とは、三叉神経近くを流れている脳血管(90%)や脳腫瘍(8%)による圧迫です。
治療法は脳神経外科でのMRIなどの検査により、明らかに三叉神経と血管が接触していることが確認された場合には、それらをはがして圧迫をとる外科的治療法が適応となり、そうでない場合には神経の興奮状態を抑える薬(テグレトール)などで経過を観察する場合が多いようです。
ちなみに、三叉神経痛は口の中だけではなく、顔を洗ったり、化粧、ひげ剃りなどでも痛みが誘発されることもあります。
時々顔がピリピリツとなる方…
くれぐれもご用心を… !?(゚〇゚;)
(写真は脳神経外科医 福島孝徳 公式サイトより参照)