『発酵道』

昨年はどちらかと言えばおとなしめだった桜島。今年は年明けから山体膨張、予兆、大噴火… 

何とも不気味な情報が飛び交う中、年が替わってスイッチが入ったように爆発的噴火を繰り返しているようですね〜

風向きのせいもあって、今のところ何とか難を逃れている鹿児島市内ですが、時折鼻を突く硫黄の匂いは、“今年もご迷惑をかけますが宜しく! ”という新年のご挨拶代わりということなのでしょう。(・・;)

 

 

さて、写真は元日に我が家で飲んだ山形の清酒「雪漫々(ゆきまんまん)」です。

 

お昼前あたりから飲み始め、約半分近く飲んだところで何時しか爆睡… (_ _).。o○ 起きたのは夜の7時過ぎ。それでも頭はスッキリ。

 

日本酒が、二日酔いの元凶、「きちがい水」と言われたのは一昔前のことで、最近では本当に飲み口も爽やかで次の日に残らないものが増えました。 それでも、昔の甘くてベトベトする日本酒の悪いイメージが根強いのか、未だに避けるように飲まれない方が多いのは残念なことです。

 

 

実はこの甘い日本酒、戦時中の米不足がきっかけとなっていることをご存知でしょうか? 

 

もともと、日本酒の原材料は米と米麹(こうじ)と水だけでしたが、米不足のために思うように酒が造れなかった時代、量を増やす目的で添加されたのが“醸造用アルコール”。しかも、水とアルコールで増やした酒はどうしても薄辛くなるので、ブドウ糖や水飴などの醸造用糖類や食品添加物を加えて味を調整した結果生まれたのが、あの甘くてベトベトした日本酒だということらしいです。

 

その製法が戦後長く続いたのは、このような添加物を加えると、なんと元の三倍量の酒ができるらしく、当然のことながらコストも安いし量産もできるので酒造メーカーもなかなか製造をやめられなかった訳で、添加物が引き起こす高血圧や糖尿病、二日酔い等々に目を背け造り続けたツケは大きく、現在の日本酒離れの原因の一つになっていることに間違いはないようです。

 

 

『発酵道』(河出書房新社)は、日本酒業界がまさに低迷期を迎えようとしていたそのような時代、創業300年の造り酒屋の当主である寺田啓佐(てらだけいすけ)氏が、自分の不摂生で腸を腐らすほどの大病を患いながらも奇跡の生還を果たしたのを機に、「人の役に立つ酒を造る」ことを自分の人生のテーマとして掲げ、無農薬・無化学肥料で栽培された米を用い試行錯誤を繰り返しながら、戦前「百薬の長」と呼ばれた日本酒造りに成功、辿り着くまでを記した本です。

 

 

お酒の飲めない人も酔ってしまう程の感謝の言葉満載の本です。

 

 

新春の一冊に如何でしょうか。=^-^=

 

 

寺田本家H.P. http://www.teradahonke.co.jp/index.htm