口は万病のもと

鹿児島地方、昨日の祝日の午後は久しぶりの暖かな日射しでした。先週末からの寒さからすれば、さしずめ“三寒一温”といったところでしょうか。少しずつ春に向かっているようです。もうひと頑張りです。


        講演会の一コマ
        講演会の一コマ

さて、先週末の日曜日、鹿児島県歯科医師会館にて、鶴見大学歯学部の花田信弘先生をお招きして「微生物と健康の関係」についての講演会が行われました。

 

皆さんは、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、関節リウマチなどの生活習慣病の原因のひとつに、お口の中の微生物が関係していることをご存知でしょうか?

 

正確には、微生物の中でも歯周病の原因菌とされるグラム陰性菌の菌体の外壁を構成しているLPS(リポ多糖体=内毒素)といわれるもので、それらは菌体と共にヒトの血管の中を遊走し、血管の存在するあらゆる臓器に達し炎症を引き起こし、生活習慣病の引き金、そしてその重症化にも影響を及ぼしています。

 

本来無菌であるはずの血液中に、これらの細菌が認められる状態を「菌血症」と呼びますが、生活習慣病を患ったヒトの動脈血中の細菌と、口の中の細菌が同種であることが近年確認されるようになり、これらの関係性が分かってきました。

 

では、歯周病にかかっていなければ、生活習慣病にはならないのでしょうか?

 

実は、最近の実験研究で、歯周病に全く罹患していなくても、3週間歯磨きをしなければ、先ほどの「菌血症」になることも分かってきました。

 

 バイオフィルムの成熟(Growth)と細菌の拡散(Dispersal)
 バイオフィルムの成熟(Growth)と細菌の拡散(Dispersal)

これは、3週間歯磨きをしなければ、右図のようにグラム陰性菌のすみかであるバイオフィルム(歯垢=プラーク)が形成され、成熟(Growth)し、その中から細菌が拡散(Dispersal)することを意味しています。

 

自分では一生懸命歯磨きしていると思っていても、その個人の習慣性により、どこかに磨き残しが3週間以上存在すれば、いとも簡単に「菌血症」になる可能性がある訳です。

 

 

恐いですね〜 

 

 

恐ろしいですね〜 

 

 

 

歯科医院での定期的なチェックと、プロ(歯科衛生士)による定期的なお掃除(PMTC)をお勧めします。=^-^=