歯医者の不養生

昔懐かしい“ボンタンアメ”を患者さんに頂きました。

 

幼い頃、よく祖父母にもらった、そして大学を卒業し神奈川の歯科医院に勤めていた頃、JRの駅のKIOSK(キオスク)でよく見かけた、あの“ボンタンアメ”です。

 

製造・販売は鹿児島市のセイカ食品。販売開始は大正15年(1926年)ということらしいので、名実ともに鹿児島を代表する、世代を越えて愛され続けてきた銘菓です。

 

 

さて、あまりの懐かしさに立て続けにバクバク食べていたところ…

案の定、右下奥の詰め物(インレー)が取れてきました。(; ̄ー ̄川 

 

「不二家のミルキー」「からいも飴」「ハイチュウ」は、歯の詰め物に引っ付きやすく、取れてきやすい食べ物の代表で、患者さんには “出来るだけ噛まないでなめるように!”と注意を促していたにもかかわらず、まさかのボンタンアメで… 大失態をしてしまいました。

 

 

 

 

さてさて、歯科医師がムシ歯になるとどうなるのか… ?

 

 

治療といっても歯科医院の診療時間はどこも一緒のようなもので、自分の診療が終ってからでは間に合うはずもなく、かといって病院を休んでまで治療に通うのはどうにも気が引けるということで、ある器用な先生は鏡を観ながら自分で麻酔をし、削るとこまでは自分でやって、後はスタッフに詰めてもらった!なんて話しを聞いたことがありますが…

 

これはあくまでも稀な例で、通常は痛みがあれば何とか薬でごまかして、取れた物があればとりあえず応急でつけておいて、ひたすらブラッシングでそれ以上ムシ歯が進行しないよう注意しながら治療のタイミングを伺う。というのが、悲しいかな歯科医師の宿命ではないかな?…と思うところです。

 

 

ということで、20年前の開業間近の頃でした。なかなか歯の治療には通えなくなるということで、同級生の歯科医師にお願いして治すべきところは全て治療してもらった訳ですが、お陰さまでそれ以来順調で、ただ右下の奥歯の詰め物だけが時々はずれるので、“もう潮時かな…?”と思いつつ、今回も診療の合間にスタッフに頼んでつけてもらい、何とか事無きを得たわけでした。(・・。)ゞ

 

 

P.S. あくまでも、これら一連の行為は歯科医師として自己責任の下で行っております。一般の方にはお勧めできませんので何卒ご容赦を… m(-_-)m