「一どん」

写真は、つい先日我が家に届いた鹿児島の焼酎「一どん(いっどん)」です。独特な形の瓶の由来は、漁師が船の上で酒盛りしても簡単に倒れないように、ということらしいです。製造元は鹿児島県南さつま市・笠沙町にある「㈱杜氏の里笠沙」。

 

シラス台地でもよく育つ救荒作物として知られる“さつまいも”を原料とした鹿児島の焼酎は、昔は自家醸造が盛んでしたが、日清戦争(明治27年)以降の日本経済が苦しくなった頃から、国が自家醸造を禁止し、徴税を目的とした焼酎の売買を奨励したために、共同醸造への時代と移っていくことになります。

 

しかしながらその頃の焼酎造りは、清酒を造る際に使われる黄麹(きこうじ)を使用していたために、高音多湿の南九州の気候条件下ではその温度管理が難しく、もろみを腐らせてしまうことも多く品質が一定化していませんでした。

 

 

 

風光明媚な笠沙は鹿児島市内から車で約2時間
風光明媚な笠沙は鹿児島市内から車で約2時間

そこで、鹿児島よりも暑い土地である沖縄で盛んに造られていた「泡盛」の黒麹による焼酎造りの技術を習得するために、明治30年頃、笠沙の「黒瀬」という集落から数人が琉球に渡ります。

 

やがて黒瀬地区は、焼酎造りの杜氏(とうじ)が集まる「杜氏の里」と呼ばれるようになりますが、そこで本格焼酎造りの技を体で覚えた杜氏たちは「黒瀬杜氏」と呼ばれ、季節になると九州一円の酒造場に出かけ、焼酎醸造の一切を任されるようになり現在の焼酎造りの基盤を作ったとされています。

 

 

「一どん」は、その焼酎造りの技を黒瀬集落に最初に伝えた黒瀬杜氏の「片平一(かたひらはじめ)」に敬意を込めて命名したものらしく、管理の難しいとされる黄麹を使用しているせいか、口当たりが良くまろやかな風味は女性にも好評の焼酎です。

 

 

限定生産のため購入方法は、往復ハガキによる月一回だけの応募に限られ、しかも月毎の抽選です。

一昨年、友人からもらった「一どん」があまりにも美味しかったので、それから毎月ハガキを出し続けて1年とちょっと… 今年は無理かな? と諦めかけていたところに、いい時期にいいタイミングで当選ハガキが届きました。(*^-^)

 

 

少し早いですが、今年の良い締めになりそうです。。