骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

今週に入ってやっと秋らしくなりました。キンモクセイがまだ微かに香ります。

 

 

さて、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による骨折を予防するためのお薬(BP系薬剤:ビスホスホネート)を、医科の病院で処方される患者さんが年々増えています。このBP系薬剤、もともとは骨吸収を阻害するためのお薬ですが、実は10年程前から、このBP治療を受けている患者さんに抜歯などの歯科的処置を行うと、非常に低い頻度で難治性の顎骨壊死(あごの骨の組織が死ぬこと)を起こすことが報告されていました。

 

なぜそうなるのか? 発症のメカニズムや原因、ならびに適切な対応や治療法がはっきりせず、臨床の現場ではこれまで様々な混乱を招いていました。そのため歯科では、歯科治療を優先する場合には、BP治療の一時的な中止などで対応してきましたが、今回4年ぶりにその対応ならびに治療法についての公式見解(ポジションペーパー)が研究機関や関係学会より示されました。

 

 

「お口の中の清掃や病変の除去などの口腔管理を入念に行えば、BP治療の中止をしなくても顎骨壊死の発生を予防できる。」がその結論のようです。

 

 

誤嚥性(ごえんせい)の肺炎、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などの発症と、お口の中の環境が密接な関係にあることが分かってきています。またひとつ、歯科の果たす役割が増えたかな?という感じです。

 

 

その前に、運動の秋です。

 

 

よく歩き、骨粗鬆症にならない体をまず作りましょう。(^^)