「野菜を食べない子は頭が良くならないよ」
そんな、何処からともなく聞こえてくる言葉に負い目を感じながら、義務教育の9年間、学校の温食にはほとんど手をつける事なく無難に過ごし、高校では母親の作った何のハードルもないお弁当にどっぷりと浸かり、このまま大学に行って一人暮らしになれば、食べ物のことで誰からも制約を受けることはないだろうと思っていた矢先のことでした。
大学受験に失敗し、鹿児島市内の予備校に通うため、家を出て賄い付きの下宿のお世話になることに…
下宿先で出される食事は朝夕の2回。朝は定番のジャガイモとキャベツの入ったお味噌汁とご飯。そして夜は、野菜をふんだんに取り入れた、見るからに栄養バランス抜群の野菜料理のオンパレード。
他人様の作った料理を目の当たりにして、生まれて初めて親のありがたみを感じた瞬間でした。
作ってくれたおばちゃんに悪いから残すことはできないし、まさか捨てるわけにもいかないし… 涙目になりながら口にしたこともしばしば。
まあでもそのうちに、いろんなことに気付いてくるもので、
“食わず嫌い”
“お腹が空けば何でも美味しい”
下宿を出る頃には野菜嫌いはいつのまにか無くなり、有り難いことに、人目を気にする事なく美味しく食事ができるようになりした。
あれから36年、今頃になってまさかこんな野菜が出てくるとは…
「まずくはないけど、美味くはない」
「カメムシの匂いがする」
我が家でも何かと話題に事欠かないパクチーですが、美味しく食べられる日が果たしてくるのか…?
今度ばかりは、微妙なところです。(-_-)