細野晴臣の名前を初めて耳にしたのは、YMOが一世を風靡した頃だったと思います。
とは言っても、YMOの他のメンバーと比べてどちらかと言えば地味目、しかも担当楽器がベースということもあって、自分にとってさほど気になる存在では無かったというのが正直なところです。
彼がそれまでに所属した、はっぴいえんど、キャラメルママ、ティン・パン・アレーなどのバンド名は、中学〜高校時代に微かにどこかで耳にした憶えがありますが、実際にその音を捜すまでの縁が無く、時々ラジオで流れているのを聴いたぐらいだったと思います。
そうしたところに自分も年をとり、様々なジャンルの音楽を聴くようになり、その中で事あるたびに細野晴臣の名前が目につくようになり、改めて興味を持ち始めていたところに写真の本が昨年の11月に出版されました。
在庫切れが続いて、ようやく最近になって手に入ったものです。
この本の完成に費やした期間は8年だそうです。
約500ページに及ぶ内容のほとんどが、自分の知らないアルバム名、曲名、ミュージシャン名、プロデューサー名の固有名詞で占められています。YMOに至っては、この本の中頃でようやく登場といった感じです。
一度整理がついたものは興味が無くなるという彼の言葉が表しているように、ひとつのバンドを息長く続けるというタイプではないけれど、周りのミュージシャンに一目置かれる存在であったことがよく伝わってくる一冊です。
この本の著者が彼のことを、音楽の神様と喩えるのも分かるような気がします。